連絡が遅れましたが去る19日に帰国しました。今回は向こうで3ヶ月リミットの往復オープンチケットを手配しましたので春節が終わった頃にまた中国行きの目算です。今年はちょっとビジネスとしてはトラブル続きで大変だったので、来年は笑って過ごしたいですねぇ。零細企業は余力がないですから。
さて河村さんのところにありましたコピー物の話にトラックバックです。以前にも書きましたが、未だに露天で売られている映画やドラマはコピーDVDばっかりと言う状況です。もとより本物自体がどこで入手出来るのかもよく分からないのですが。まあ香港に行けば少なくとも安心して買う事は出来ます。ちょっと前まで香港でもコピー物は多かったのですが、現在はかなり取り締まられています。また音楽も最近はネットにボロボロ落ちていまして、いとも簡単にダウンロード出来ます。こりゃ歌手の方はやってられないでしょう。知り合いの中国人が「日本の曲はネットに置いてないから聞けない」とぼやいていましたが、もともと置いている方が異常なんだってば。
以前にも書いた事がありますが、こういうエンタメ系のコピー物もそうですが、私が根が深いなぁと感じるのが設計用ソフトのコピー物です。この広大なる華南工業地帯、どれだけ設計者がいて何台のコンピューターが使われているのか知りませんが、いったいその中に正規の設計用ソフトが入った物があるのか否か。電気屋街に行けば数十万円してもおかしくない高価な設計ソフトが数百円で売られています。街の本屋に行けばそう言うソフトのハウツー本がどどっと列んでいます。日本であれば正規の設計用ソフトを買えば使用説明書も付いてくるしサービスも受けられるので、その手のハウツー本の入手はまず出来ません。ここらあたりの事情は工業系の大学も同様のようで、学生同士のネットワークや、もしかしたら教授も関与して、何のためらいもなく設計用ソフトをコピーし、ハウツー本で勉強し、結果日本の大学では学ぶ事も難しいノウハウをいとも簡単に習得しているのです。
そういう技術者が華南工業地帯でどどっと働いています。で現地の製造業者も(大きな声では言えませんが)正規の設計用ソフトを全マシン用にいちいち買っていては採算が合いそうにないくらいの低コストで仕事を請け負っている訳で、これはもう中国製造業の根幹に関わる構造的な問題でしょう。根が深いと言うのは、コピーを取り締まれと騒ぎ立てている先進国自体が、その低コストを目当てにそう言う中国の製造業者を下請けにしているという現状でしょう。日本の大手メーカーだって現状を看過しているという点では同罪なのです。
IBMから中国企業Lenoboに身売りされたThinkPadですが、マイクロソフトからクレームがついて最近ようやくWindowsのOSをバンドルして売るようになったのだとか。それ以前はOSをバンドルせずに売っていたらしいです。まあ確かに中国の電気屋さんでパソコンを買うと、頼みもしないのに「サービスで」OSを含めた「高価な筈の」ソフトをぼこぼこインストールして売っているようなのですが....。
私も設計業で中国に部下もいたりして無責任な立場で発言は出来ないのですが、あらためて考えると下請けの環境や大手企業のしたたかさなどが見え隠れして、なんとも納得のいかない状況であります。
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