« 帰国しました | Main | アフィリエイト導入(=゚ω゚)ノ »

2004.11.08

「鐡」のはなしです

 今までちょこちょこと九廣鐡路の話とか書いていましたので、今回、カテゴリに「鐡」を加えました。たいして詳しくはないですが鉄道は結構好きなのです。

 日本語で「電車」と言うと線路の上を走るものですが、中国語で「電車」は日本ではほとんど見られなくなった「トロリーバス」を意味します。線路の上を走るのは「火車」。蒸気機関車のイメージが強いですね。実際中国では未だに現役で走っています。もっともオリンピックまでに全廃となるので乗るなら今のうちかも知れません。私は1986年のシルクロード旅行で2重連のSLに引かれた列車に乗ったのが最後だったかな。日本では学校に上がる前に京都から父の故郷の福知山に行くのに乗った記憶があります。脱線失礼(^^;)。脱線ついでに日本で電化されていない鉄道の場合は「汽車」と言いますが中国語で「汽車」と言うと「自動車」の意味になります。

 中国でも幹線鉄道はどんどん電化されていますが、日本の様な電車方式は今のところありません。走るのは全て電気機関車の引っ張る列車。電車方式との違いは動力のある車体と客車が別だと言うこと。貨物列車のように機関車が先頭に付いて後は動力のない客車が付いている方式です。電車方式と言うのは客車の床下にモーターが付いていて客車自身が走るようになっていて、中国でも地下鉄などはこの方式。基本的に長距離列車は全て機関車です。

 さて日本はと言うと、地下鉄や都市近郊路線はともかく、長距離列車や新幹線に到るまで全て電車方式で、これは世界でもとても珍しい。日本も昔は都市近郊の通勤路線などが電車で、長距離は機関車だったのです。しかし機関車方式は反対に走る時に「付け替え」をしなければならず、そのための手間や引き込み線などが必要になります。ところが日本は土地が狭く地価も高い。東京駅に機関車の方向転換の引き込み線なんてとても引く余裕はないですから、だんだん電車に転換していったそうな。

 香港でも九廣鐡路(KCR)地下鉄は電車方式です。ちなみにKCRの車両は日本製

041107-kcrc.jpg

 面白いのがエアポートエクスプレスで、見るからに機関車方式で空港から香港駅に行く時は機関車が引っ張るのですが、香港駅で反転する線路がある訳ではなく、逆向きに走る時にはそのまま機関車が押す状態で走るのです。同じ運転席では前が見えませんので、客車の最後尾には運転席だけが付いています。多分、遠隔操作で機関車を動かしているんでしょう。専門用語ではこれを「プッシュ・プル方式」と言うそうで、これも技術が進歩したから出来るようになったのでしょうね。しかしほぼ同じ路線の地下鉄東涌線が電車なのに何でエアポートエクスプレスは機関車なんでしょうか。不思議だ。

041107-ee.jpg

 中国でも北京〜上海間の高速鉄道の入札がされていますが、日本の競争相手・フランスのTGVなどは機関車方式です。TGVの場合、機関車を両端に連結し、それでは高速性能に劣るので機関車の隣の客車にだけ動力をつけていまして、場合によっては真ん中にも動力車をつけたりして、そこまでするんだったら電車にすれば〜?とか思ってしまいますが。

041107-tgv.jpg

....TGVの写真、これであってますか?私乗ったこと無いんで....(^^;)。あ、でもロンドン〜パリのユーロスターとイタリアのペンドリーノは乗ったことがあります(`^´)。ユーロスターは機関車方式ですが、私が乗った当時のペンドリーノは珍しく電車方式でした。乗り心地はあまり良くなかったような。

 韓国高速鉄道も機関車方式です。車両編成を見ると「動力車2両、動力客車2両、客車16両の合計20両」で、日本では新幹線500系の先頭がドア一つで座席も少ないと文句が出ていたのに、お客の全然乗れない動力車なんてとんでもないと言った所でしょう(^^;)。

041107-ktx.jpg

 台湾高速鉄道は紆余曲折のあげく「機関車方式」を念頭に路盤を作っていた途中で日本の新幹線技術である「電車方式」に変わりました。

041107-700t.jpg

 台湾でも在来線特急列車・自強號などは機関車方式です。

041107-jikyou.jpg

 
 中国でも深[土川]〜広州に走っている特急列車は機関車方式の筈です。あ、これはプッシュ・プルの機関車のない側かも。

shenzhen-train.jpg

 機関車文化の路線に電車を通すとメンテナンスのノウハウが違うのでコストが上がってしまい、なかなか導入できないらしいですが、最近こういう記事が目に入るようになってきました。

新幹線1400億円で受注 川重など、中国高速鉄道で
英が高速鉄道で五輪招致へ 日本の新幹線技術を導入
 
 ようやく中国にも長距離電車が登場となるみたいですね。でもメンテナンスは大丈夫なのかしら....というより、中国にそういうノウハウを流出していいのかどうかもちょっと考えてしまう所です。



参考文献:山之内 秀一郎 著 「新幹線が無かったら」

Click!  >>>>>   世界中からBLOG   <<<<<  Click!

|

« 帰国しました | Main | アフィリエイト導入(=゚ω゚)ノ »

Comments

はじめまして。お邪魔致します。

広州の情報を辿っていたのですが,「テツ」に反応してしまいました。

年に半月くらい広州にお邪魔するのですが,可能な限り蒸気機関車の撮影にも出かけるようにしておりましたが…さすがに広東省は火を落とすのも早く,本線走行は98年の三茂線,構内入換も00年の三水以来目にすることがなくなりました。

1月にダメ元で,広州市内の某工場専用線を8年ぶりに再訪してみましたが,奇跡的に予備車として形を留めておりました。

次回は年末に広州に参りますが,「食」だけで終りそうです。


いきなりお邪魔して取りとめなく申し訳ございませんでした。
私も"てっちゃん"ではありませんが,アレなサイトも運営しております。ご笑覧賜れれば幸いでございます。
http://railfan.chips.jp/rail/index

Posted by: れいるどっぐ | 2004.11.11 04:04 下午

 れいるどっぐさん、はじめまして(^-^)/。亀レスすみません。遅ればせながらリンクさせていただきました。

 ホームページを覗かせて頂きましたが、いやいやなかなか、十分「鐡」ではないかと(^-^;)。広州レポート、楽しみにしてます(^^)。

Posted by: 岸上 孝 | 2004.11.17 10:50 上午

ご丁寧なコメントばかりか,リンクまで賜りありがとうございます。

最近はこっちばかり更新して・・ますます鉄分が抜けていっております(゚д゚i||)
http://railfan.chips.jp/blog/

早速当方からもリンクさせてくださいませ。
(ど,どちらのサイトからはりましょうか...)

Posted by: れいるどっぐ | 2004.11.17 08:36 下午

 http://railfan.chips.jp/blog/れいるどっぐさん、こんにちは(^-^)/。リンク先を変更させてもらいました。

 うちのリンク先は....亜州明星総覧でもこのブログでもどちらでも結構ですが、やはりブログ繋がりの方がいいでしょうか(^-^;)。

 ではでは(^^)/。

Posted by: 岸上 孝 | 2004.11.20 01:42 下午

リンクの件,誠にありがとうございます。
当方からも設定させていただきました。

またいずれかのジャンルで誤爆TBさせていただくかもしれませんが,何卒ご容赦の程を(´・ω・`)

西朗の火車も落ちたので,ますます鉄分抜けそうです。
シンセンには年始あたりにお邪魔致します。

では今後ともどうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございました。

Posted by: れいるどっぐ | 2004.11.24 12:39 下午

エアポートエクスプレス香港駅側の先頭車は機関車できません。これは荷物車です。エアポートエクスプレスは電車方式ですね!

Posted by: ----- | 2004.12.13 09:51 下午

げ、機関車じゃなかったのか(--;)。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m。
いやまいった。

Posted by: 岸上 孝 | 2004.12.16 12:33 下午

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「鐡」のはなしです:

» 12.28 深[土川](シンセン)地下鐵開業 [油麻地の街角から]
深[土川]の地下鐵1号線一期工事区間、羅湖—世界之窗(窓)間が、12月28日に開 [Read More]

Tracked on 2004.12.26 04:20 下午

» 特急列車「自強號」の席のこと (台北→瑞芳) [Tomotubby’s Travel Blog]
思わぬ場所で現金を引き出せたので、すぐに切符売り場の窓口に並び、九份最寄りの瑞芳駅までの切符を買いました。電車は東部幹線を走る「自強號」という特急... [Read More]

Tracked on 2005.01.27 08:44 下午

» 広州鋼鉄廠専用線/広州39 [raildog in the attic.]
2004年1月2日 廣州市内・西朗 画像一枚目のように西朗駅前に「広州鋼鉄廠」の専用線が敷地内に延びています。 ※尚,我々は事前に許可を得て撮影しておりますが,「鋼鉄廠」内は通常,立ち入りも撮影も禁止されておりますので,ご注意ください。 丁度踏切が鳴り,列車がやってきました。 果たして蒸機(蒸気機関車)牽引なのか??? 残念,ディーゼル機関車(DL)でした(画像2枚目)。 元は中国鉄路局(国鉄ですな)で使われていた,GK1C形式0168号機です。 この形式は初めて撮影しました。 通りかかったおばちゃ... [Read More]

Tracked on 2005.04.16 02:16 上午

« 帰国しました | Main | アフィリエイト導入(=゚ω゚)ノ »