グレート・ウオール

これは香港・尖東での地下鉄道工事の現場付近です。地下鉄道と言っても香港地鐵(MTR)ではなくて、廣九鐵路(KCR)の紅磡(ホンハム)站から支線として延伸され、今年中にも尖東站が開設される予定です。
写真でも分かるように、路面は鉄板で覆われ、横には仮設のブロック、柵は鉄板、一部は金網で出来ています。鉄板もブロックも金網も、当然持ち運ぶことが可能で、こう言うのは専門の業者がいて必要に応じて貸し出したりして賄われているものなのでしょう。
紅磡からの延伸距離わずか1キロ、走行時間もたったの1分半だそうですが、羅湖からKCRに乗って、尖東站からMTR尖沙咀站まで巨大地下街で結ばれる上に、尖沙咀碼頭までもすぐに行けるようになるのはとても有り難いです。
さて、今住んでいる深圳も地下鉄工事が盛んに行われています。これは寮のベランダから南西側、深南大道を眺めたところ。

緑多き部分は観光施設「世界之窗」の西の外れ。その手前の土色の部分が地下鉄工事現場です。ご覧のように鉄板で覆ってその下で....なんて慎ましい方式ではなく、6車線ぐらいをどどんと北側に移設して元あったアスファルトを引き剥がし、豪快に露天掘りで作業をしています。先日中国民俗文化村でこの近所の航空写真の映った本を見たんですが、あの場所には街路樹や花壇が整然と設置されていました。計画的に作られた深[土川]の街の筈ですが、一体どういう計画を建てているんでしょうか(^^;)。
土色の部分の手前には、なにやら緑の四角が横に並んでいるのが見えますが、これは地下鉄工事用の柵です。近くに寄ってみました。

香港のように持ち運ぶことが出来るようにはとても見えません。根っこが生えたようにどっしりと置かれており、工事期間だけ必要な割には無駄なほど堅牢です。工事の箇所は日に日に変わりますから、その度にこう言う物を構築しては破壊しているんでしょうか。

これは工事が終わった箇所の柵の様子。ブロックやレンガをコンクリを粘着剤にして積み上げ、表面を塗り固め、白地に緑と黄色の枠を、朱で文字を書き入れ....。工事が終わったら惜しげもなく破壊し、撤去しているようです。どう見ても柵としての再利用を考えているようには見えません。せいぜい埋め立て地に持っていって大中国の領土拡大に貢献するくらいでしょう。一見、無駄に見えるこの方法、国が違えば事情も変わるのでしょうから、雇用確保とかいろいろ理由があるのでしょう。それにしても資源の浪費を考えると、なんとも異質な体制の国なんだなぁ、と、いつも思ってしまいます。
現在、深圳市内の地下鉄工事現場に沿って、この壁が数十キロに渡って延々と築き上げられています。2008年に地下鉄が完成するまでの束の間に登場した、これは深圳のグレート・ウォール。地下鉄が出来たら、こんな壁の事なんて誰も思い出さなくなるんでしょうね....。
撮影協力:オライト君 |
おまけ。

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Comments
シンセンの都市景観計画は、考えられているようで実はボロありまくりの様相を呈してますよね。
工事現場の壁、香港のように移動式鉄壁にしないのは、壁の材料費もさることながら、勝手に夜中に持ってかれて、転売されないようにする為ではないかと思われます。(一旦レンガで造ってしまうと確かに取り崩すのが手間ですが、そこは人海戦術で何とかなる、位にしか上の人間も考えていないのでは。)
オリンピック関連施設や高速道路、マンション建設で鉄鋼の値段が上がっているとなると、そういう事を安直に考える人間が出てきてもおかしくないですよ。(持ってく時も人海戦術でごそっと。(笑))
もうちゃっかりと撤去跡で露店商売してますか。なかなか商魂逞しいですね、こっちの人って。
Posted by: 亜珠 | 2004.06.16 09:47 下午