機内持ち込みの話
前回のおまけに続いて1986年の話です。
この時は前年に就航したばかりの鑑真号で中国を旅行するのが関西の大学では結構ブームになっていました。何しろ片道2万円ちょっとで外国に出られる、行った先は信じられないくらい物価が安い、と言うので、春休みや夏休みには「地球の歩き方」を手にしたバックパックの学生がわんさと乗船しておりました。
私もこの流行に乗って大学最後に海外旅行だと勢い込んで喜多郎の音楽も記憶に新しいシルクロード旅行を敢行しました。上海から入って西安、蘭州、敦煌、トルファンと硬座(鉄道の2等座席)の旅を続け、トルファンからはバスでウルムチに向かいました。帰国の鑑真号は2週間ほど後なので、ウルムチからは北京に高飛びし、北京〜上海を硬座で移動して帰ろうという目論見でした。
しか〜し、ここは没有(メイヨウ)の国。案の定、民航のおねーちゃんはニコリともせずに北京行きのチケットは2週間先まで全て満席だと冷たく言い放ちました。しかも上海行きまでも2週間先まで全て満席!がが〜ん、どうやって帰ればいいんだ〜(T^T)。仕方なく毎日長時間民航オフィスに居座り続けキャンセル待ちをかけ、3日目に1週間後の上海行きを何とかゲット。
突然1週間もウルムチで足止めをくらいました。キャンセル待ちで疲れ果てたので気分転換にどこかに移動しようと思ったのですが、カシュガルはバスで片道3日はかかるのでちょっと辛い。と言う訳でシルクロード情緒漂うトルファンに戻って数日過ごしました。

トルファンでのリゾート(?)を終えてウルムチに引き返しました。いよいよ飛行機に乗り込みます。自慢じゃないですが私、飛行機に乗るのはこれが生まれて初めて。結構ワクワクしてます。
さてタラップまでの行列に加わりますが.....みんなの荷物がすごい....(-_-)。
シルクロード名物と言えば哈密瓜(一種の巨大メロン)ですが、お土産にするのでしょうか、哈密瓜やら西瓜やらを竹籠にゴロゴロと何個も入れているのです。その籠も1人1つではなくて4つ。どうやって持って入るかというと、竹竿を肩に掛け、前に2籠、後に2籠、両天秤状態にぶら下げて担いでいるのです。行商に行くのではなくて飛行機に乗るんですが....。

タラップを昇り、機内に入りました。みんな竹籠を上の棚はもちろん、座席の下にも無造作にどさどさと置いていきます。みんなが落ち着いてしばらくすると、飛行機が動き出しました。滑走路に入ります。くどいようですが飛行機は初めてです。いやあ滑走路を走るスピードが速くてビックリしました。そして機首が持ち上がり、離陸。
と、前の方から哈密瓜がひとつ、通路の真ん中を後ろに向けてごろごろごろごろごろごろごろごろ........。
最後尾の壁にどすん!とぶつかって止まりました。さすがにみんなの目もそちらに向いています。シートベルト着用中なので取りに行くわけにも行きません。と、一番後に座っていた人がひょいと哈密瓜を拾い上げ、一つ前の座席の人に手渡しました。その人も一つ前に.....。私もその中に加わって後から来た哈密瓜を前に回しました。あれよあれよと言う間に哈密瓜は持ち主の元に戻っていきました。メデタシメデタシ(^^;)。
今はもう、こんなアバウトな乗せ方はしてません。中国も随分とシステム化されてきましたし。....と思っていたら、とんでもないトラップが仕掛けられているのも中国ですが....。

おまけ。巨大な竹籠。モスラの卵でも入りそうです。
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